ドローンの規制は改正航空法だけではありません。200g未満のドローンが航空法の規制を受けないという意見も散見しています。実際には航空法のDID地区の規制を受けないだけで、高度制限や目視外飛行の禁止などさまざまな制約を受けています。
航空法以外にはどんな規制があるのかをこのページでは解説しています。
航空法以外に気をつける法律や条例
無人航空機の中でも200g未満のホビードローンは航空法ではDID地区(人口密集地区)の規制は受けませんが、その他にもさまざまな規制があります。
規制の中には飛行禁止エリアや、お願いレベルのものまで様々ですが、まだ規制されていない場所でも、マナーの悪い飛行を繰り返すことでどんどん規制が厳しくなっていきます。
ドローンを飛ばす際には、マナーやルールをしっかりと守って現在飛行できるエリアを自ら守っていかないと、ますます窮屈になってしまいます。しっかりとした知識を持って安全に配慮して飛行させましょう。
もしもドローンを飛行させたい場合には、正規の手続きや各関係機関との調整により飛行が可能となっています。
小型無人機等の飛行禁止法
この法律は国の重要施設の周囲300mを飛行させることを規制する法律で、ことの発端はドローンが内閣首相官邸屋上で発見された事件となっています。重要施設としては「国会関連施設・各省庁の建物・宮内庁関連施設(皇居など)・政党施設・原子力発電所」が挙げられます。規制エリアに関しては関連ページで確認できます。
関連ページ:小型無人機等の飛行禁止法による飛行禁止エリア
港周辺の規制(海上保安部)
海上保安部へ問い合わせした結果、現在は港湾部などで飛行を規制する法律や制度はありませんが、港湾部及び灯台敷地上空などを飛行したり空撮する場合には、事前に調整をして欲しいとの回答を頂きました。
道路交通法による規制(警察署)
厳密にドローンを規制する項目はありませんが、ドローンの離発着や上空の飛行に関して制限が出てきます。ドローンの離発着時には安全のため半径5m以上の空間が必要なので、実質交通の妨害となります。
道路上空にしてもそうです。特段規制はされていないものの、ドローンが墜落する危険もありますし、航空法でも第三者が道路上にいてその上空を通過するのは禁止されています。(人または物件から30m以上離れて飛行する)
- 道路上の離発着であれば道路使用許可を取得する(警察署)
- 街中の飛行であれば建物や電柱・橋などの工作物から30m以上離れるか、物件所有者。管理者に飛行許可を取る。
電波法による規制
無線局免許 | 周波数帯 | 送信出力 | 利用形態 | 備考 | 無線従事者 資格 |
不要 | 73MHz帯等 | 200μv/m以下 | 操縦用 | ラジコン用 微弱無線局 |
不要 |
不要 | 920MHz帯 | 20mW | 操縦用 | 920MHz帯 テレメータ用、 テレコントロール 用特定小電力 無線局 |
|
2.4GHz帯 | 10mW/MHz | 操縦用 画像伝送用 データ伝送用 |
2.4GHz帯 小電力データ 通信システム |
||
必要 | 1.2GHz帯 | 最大1W | 画像伝送用 | アナログ方式 限定 ※4 |
第三級陸上 特殊無線技士 以上の資格 |
必要 | 169MHz帯 | 10mW | 操縦用 画像伝送用 データ伝送用 |
無人移動体 画像伝送 システム (平成28年8月 に制度整備) |
|
2.4GHz帯 | 最大1W | 操縦用 画像伝送用 データ伝送用 |
|||
5.7GHz帯 | 最大1W | 操縦用 画像伝送用 データ伝送用 |
無人航空機の中でも特にドローンで使用されている電波周波数は、2.4GHz帯と5.7GHz帯ですが、ホビードローンなどは免許不要の電波(技術適合表示のあるもの)ですが、PhantomやMavic Proなどの空撮に用いられる機体はFPV(ファーストパーソンビュー)といって、スマホなどの画面にドローンからの映像を移して操縦できます。しかし、本格的なドローンを目視外で操縦するには第三特殊無線技士が必要と言われていますが、DJIのドローンであれば必要ありません。
この電波法は、ドローンを操縦する上で切っても切れない関係にあるので、別な機会に詳しく解説したいと思います。
また、海外製のドローンには5.8GHz帯を使用しているものも多く、その場合には日本の電波法に抵触する可能性もありますので、使用しないでください。
公立公園の飛行制限(公園管理事務所)
都道府県や市区町村それぞれ独自に決められていて、おおまかには以下のようなものに別れます。
- 公園内全面飛行禁止
- 許可を取ることで飛行が可能
当たり前のことですが、公園には子供が遊んでいたりします。予期せぬドローンの墜落やコントロール不能で、子供などにドローンが当たったら重大な事故が起こります。ドローンに限らず回転翼を持っていたり、滑走機(セスナ機など)は危険な存在です。
広い公園で安全確認が取れそうな場所であっても、たとえ人がいなかったとしても公園管理者に許可を取って飛行させるようにしてください。
関東のドローンの規制
河川区域の飛行制限(河川事務所)
河川法で明確にドローンを規制しているわけではありませんが、管理している河川事務所によって規制の有無が変わってきます。このあたりは公園と一緒ですね。
基本的には河川単位での確認が必要で、規制としては「危険・迷惑行為」に該当します。ラジコン飛行機やドローンだけではなく、水上バイクなど訪れている方達に迷惑がかかるおそれのある行為を規制している段階なので、しっかりと許可を取って飛行させていないといずれ河川法で規制されることにもなりかねません。
なんども書いていますが、ドローンは危険な道具です。マナーを守って安全に飛行させましょう。