正直なとこと国土交通省のWebサイトを見ても、ドローンを飛行させるためにはどんな許可が必要なのか、いまいちわかりづらいですよね。もちろん趣味での飛行申請も可能ですが、やはり業務での許可を取得して空撮や農薬散布などドローンならではの利用がメインとなっています。
許可・申請は複雑ですが、個人でも取得できないことはありません。とにかくドローンの飛行訓練と、改正航空法などの勉强、安全確保の方法などをしっかりと確保して飛行させましょう。このページは長いですが、申請関係に必要な知識をまとめていますので、申請の雰囲気は把握できます。
許可申請が必要な無人航空機
申請が必要なドローンは200g以上の機体で、200g未満のドローンは改正航空法の無人航空機としては扱わないので、機体をわけてみます。
許可・申請が不要なドローン
これは単純に無人航空機に該当しない機体(模型航空機)なので、200g未満のドローンです。この重量に関しては、飛行するために必要な機能を満たすもの。つまりドローン本体とバッテリーの重量となります。
ドローンの重量に算定しないものとしては、プロペラガードやカメラ、アンテナなどで容易に取り外し可能なものという判断で問題ありません。
カンタンにすると、飛行のために必要ないものですぐに取り外し可能なものを覗いた重量となります。この基準は航空局の無人航空機ヘルプデスクでも確認できるので、飛ばしていいかどうか不安がある場合には、ヘルプデスクに確認しましょう。
参考:国土交通省 無人航空機ヘルプデスク 0570-783-072
受付時間:平日 am9:30~pm18:00まで
許可・申請が必要なドローン
200位上の機体重量があるドローンです。この場合でも飛行に必要ない取り外しがカンタンな部品を除いた重量となっています。
許可・申請が必要なドローンであっても、人口集中地区(DID地区)や空港周辺、その他規制されている場所以外であれば飛行は可能ですし、室内飛行は規制がありません。もしもドローンの練習をしたい(飛行実績を作りたい)場合には、DID地区以外で周辺に人がいないところで訓練するか、有料の室内・屋外練習場(室内であっても飛行実績に含める)で練習しましょう。
ドローンの飛行許可には航空法の知識が必要不可欠
ドローンの飛行申請をする場合に必要なことは、航空法と関連法などの知識・飛行の習熟度(飛行時間)そしていちばん大事なのが、安全への配慮です。ドローン飛行の審査で一番見られているのが安全管理なんです。安全を念頭に置けば必要なことが分かってきます。
航空法と規制関連の知識
改正航空法では無人航空機(200g以上)の機体を飛行させる場合には、航空法で制限されているエリアと航空法以外で規制されているエリアに気をつけないといけません。もちろん国土交通大臣の許可は航空法に限ったもので、航空法以外の規制に関しては各行政庁の判断となります。
特殊な条件の許可・承認のコツ
申請の種類
申請には種類があり、それぞれ期間が決まっていますが、重要なのはやはり安全への配慮で、航空法などの知識・ドローンの操縦技術・安全確保です。大き分けて個別申請と包括申請にわかれますが、通常決まった日程で飛行する場合には個別申請を行います。
申請の意味合いはいつ・どこで・だれが・どのように飛行させるか、航空局が管理するためのものです。
個別申請
飛行経路と飛行日時が事前に決まっている飛行に対して行う申請で、すべての申請の基本の形になっています。包括申請に比べて飛行日や経路が確定しているので、航空局としても飛行場所の把握がしやすいことから、通常は個別申請で飛行許可をとります。
包括申請
ドローンの飛行は天候に左右されやすいために、業務での空撮やイベントでの飛行でも予定通りに飛行できるとは限りません。日程通りに飛行できない可能性がある場合には、包括申請という方法もあり、包括申請には2種類の方法があるので、飛行形態にあてはまる方を選択しましょう。
期間包括申請
同一の申請者が同一地域(市内・県内・全国など)を一定期間(原則3ヶ月~最大で1年間)日程を決めずに飛行する場合に行う申請方法です。
飛行経路包括申請
期間包括申請に似ていますが、期間包括申請は区域なのに対してこちらは経路または特定の場所・条件で申請をします。
- 飛行経路が明確でも複数の経路がある場合
- 特定の場所・条件で飛行させる場合
申請窓口
以前は国土交通省本省が申請・許可の窓口となっていましたが、平成29年4月1日より地方航空局へと申請窓口が変更になっています。東日本と西日本にわかれていて、それぞれ東京航空局と大阪航空局が申請窓口になっています。
電子メールでの申請書(案)の送付先は以下の アドレスとなります。
- 東京航空局:cab-emujin-daihyo@mlit.go.jp
- 大阪航空局:cab-wmujin-daihyo@mlit.go.jp
郵送又は FAX で申請書(案)を送付する場合には、以下の住所又はFAX番号となっています。
- 東京航空局
〒102-0074
東京都千代田区九段南 1-1-15 九段第 2 合同庁舎
東京航空局 保安部 運用課 無人航空機審査担当 宛 FAX 03-5216-5571 - 大阪航空局
〒540-8559
大阪府大阪市中央区大手前 4-1-76 大阪合同庁舎第4号館
大阪航空局 保安部 運用課 無人航空機審査担当 宛 FAX 06-6949-6784
飛行許可申請に必要な知識
人口密集地などで飛行させる場合には、飛行申請後に国土交通省の審査があり、国土交通大臣の許可が必要になります。しかし規制区域関係なしに飛行させたいですよね?どこでも飛行させるためには包括申請という申請が必要なんですが、趣味で飛行させるレベルでは許可はおりません。許可が降りるのは、明確な理由と継続して申請地域を実際に飛行しているかどうかが問われます。
また、申請するにしても趣味なのか、撮影なのか、農薬散布なのかなど、用途によっても申請の種類は変わってきます。この申請の種類にかんしては後ほど書きますが、許可を取ることが出来なければ飛行は出来ないということです。
申請書の記載例は国土交通省Webサイトよりダウンロードできます。
1. 資料の一部を省略することができる無人航空機(申請書様式2のホームページ掲載無人航空機に該当)の場合の申請書記載例
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こちらのページは更新されるたびにURLが変わってしまうので、ドローンガイドにて同等の情報を持つページを作成しました。
例1:人口集中地区上空の飛行、人又は物件から30m以上の距離を確保できない飛行、催し場所上空の飛行
例2:夜間飛行
例3:目視外飛行
例4:危険物の輸送、物件投下(農薬散布等)
例5:飛行経路が特定されない飛行
例6:空港等の周辺の空域、地表または水面から150m以上の高さの空域の飛行
※ホームページ掲載無人航空機として掲載する手続きについてはこちらをご覧ください。
2. 1.以外の機体の場合の申請書記載例
例1:人口集中地区上空の飛行、人又は物件から30m以上の距離を確保できない飛行、催し場所上空の飛行
例2:夜間飛行
例3:目視外飛行
例4:危険物の輸送、物件投下(農薬散布等)
例5:飛行経路が特定されない飛行
例6:空港等の周辺の空域、地表または水面から150m以上の高さの空域の飛行
申請を出したあとの審査要領はこちらで確認できます。
許可申請することでDID地区(人口密集地)の上や造作物(建物等)から30m以内の飛行、夜間飛行や目視外飛行などの飛行が可能になりますが、飛行知識や技能、安全管理を徹底しないと許可番号は取得できません。
申請可能な飛行の目的
飛行の目的 | 例 |
空撮 | 風景・施設の撮影、TV・映画制作、イベント撮影 等 |
報道取材 | 報道取材 等 |
警備 | 侵入者追跡、工場内立入者監視 等 |
農林水産業 | 農薬散布、松くい虫防除、種まき、肥料散布、生育調査 等 |
測量 | 工事現場での測量 等 |
環境調査 | 放射能計測、大気汚染調査 等 |
設備メンテナンス | プラント保守、施工計画調査、ソーラーパネル管理 等 |
インフラ点検・保守 | 道路・橋梁点検、トンネル内点検、河川管理施設の点検、海岸保全施設の点検、港湾施設の点検 等 |
資材管理 | プラント資材管理、資材の容積計測 等 |
輸送・宅配 | 物資輸送、宅配 等 |
自然観測 | 火山観測、地形変化計測、資源観測 等 |
事故・災害対応等 | 土砂崩れ等の被害調査、山岳救助、水難者捜索、被災者捜索、火災の原因等の調査、交通事故現場検証 等 |
趣味 | 競技会、スポーツ、レクリエーション、個人的な趣味の飛 行 等 |
その他 | ここに掲載している以外の用途の場合はその他で申請(目的は別途記載) |
飛行目的以外の項目
上記の目的以外にも下記のような事柄を申請書に記載します。
飛行の日時
飛行予定日時又は期間と時間帯を記載すること。
期間及び時間帯を記載する場合には、その期間は原則3ヶ月以内で、申請内容に変更なく継続的に無人航空機を飛行させる場合には、1年を限度として申請することができる。
飛行の経路
飛行経路や、経路が特定できない場合(付近一帯を空撮する場合や農薬散布の場合等)は飛行範囲を地図に示す。
飛行の高度
150m以上の空域も飛行申請できるようですが、明確な目的や理由がない場合には申請は許可されません。
基本的には150mまでは飛行可能なのですが、真性寺には安全高度を保つために最高でも100m程度までの飛行申請が望ましいです。
飛行禁止エリアを飛行させる理由
夜間飛行であれば夜景の空撮でしょうし、農薬散布であればそのまま農薬散布と記載しましょう。
空撮や趣味の申請で多いのは人口密集地での飛行でしょうから、なぜその空域で飛行させないといけないかの、明確な理由が申請には必要です。
ドローンの機能と性能
申請時には機体の性能や機能(FPV飛行、夜間灯の有無)によって飛行形態が分かれていますが、夜間飛行や目視外飛行の申請時に機体に備わった機能を証明するために、機体メーカーや型番、解像の有無などを記載しなければいけないのですが、DJIなどの一部メーカー製については嫌い資料の一部を省略することができます。
ドローンの飛行形態区分は下記となっています。
A・B・C・D・E全てを満たした機体で国土交通省が認めている機体であれば、それぞれの飛行に対する適合資料の提出を省略することができます。
- A. 基本的機能及び性能(審査要領4-1-1、4-1-2(最大離陸重量 25kg 以上の場合))
- B. 進入表面等の上空又は地表若しくは水面から 150m の高さの空域における飛行のための基準(審査要領5-1(1))
- C. 人又は家屋の密集している地域の上空における飛行、地上又は水上の人又は物件との間に所定の距離を保てない飛行、多数の者が集結する催し場所の上空における飛行のための基準(第三者の上空で無人航空機を飛行させない場合)(審査
要領5-2(1)a)、5-5(1)a)、5-6(1)a)) - D. 夜間のための基準(審査要領5-3(1))
- E. 目視外飛行のための基準(審査要領5-4(1))
操縦者の知識と飛行技能
飛行経験も必要
申請時にはドローンの操縦技術についても記載しますが、ドローンスクールなどで操縦資格を取得していれば飛行経験にかんしても、取得したスクールの団体名称で省略が可能です。
もしも資格を取得せずに申請を行う場合には、10時間以上の飛行訓練が必要となっています。
飛行実績を記録する
ドローンを飛行させる際には飛行実績を記録することで、飛行時間などを証明します。記録する項目としては下記になるので、エクセルなどで作成しておくと便利です。また、Googleスプレッドシートで作成しておけば、飛行させた場所で記録できるのでスプレッドシートでの作成をおすすめしています。
- 飛行年月日
- 無人航空機を飛行させる者の氏名
- 無人航空機の名称
- 飛行の概要(飛行目的及び内容)
- 離陸場所及び離陸時刻
- 着陸場所及び着陸時刻
- 飛行時間
- 無人航空機の飛行の安全に影響のあった事項(ヒヤリ・ハット等)
- 無人航空機を飛行させる者の署名
100行では時間の列は自動計算されるので、その他の項目を入力すれば飛行実績が管理できるように作ってあります。Googleアカウントが無くてもエクセル形式などでダウンロードすることも可能です。Googleドライブへ保存したりも出来るので、利用してみてください。
Googleドライブに保存する場合には、上部のメニュー内の【ファイル⇒マイドライブに保存】からGoogleドライブに保存して活用してください。
外部サイト:スプレッドシートを Excel 形式のファイルとして保存
安全確保の体制
安全確保の体制について、以前は飛行マニュアルを作成し、機体の点検項目や運用方法、訓練項目などを作成して提出していましたが、現在は航空局作成のマニュアルに名称を記載して提出すれば問題ありません。
しかし、しっかりと内容を把握した上でマニュアルに沿ったかたちでの飛行を求められます。万が一ドローンによる事故(機体紛失・衝突や接近事故も含む)が起こった際には、下記の項目をた国土交通省航空局安全部運航安全課、地方航空局保安部運用課又は空港事務所まで報告します。
- 無人航空機の飛行に係る許可等の年月日及び番号
- 無人航空機を飛行させた者の氏名
- 事故等の発生した日時及び場所
- 無人航空機の名称
- 無人航空機の事故等の概要
- その他参考となる事項
直近の申請許可番号の表示
現在東京航空局と大阪航空局にて申請できますが、それぞれの航空局で以前に許可を取得している場合には、直近の承認番号と承認日、許可承認書の写しを提出します。
申請先で許可を取得したことが無い場合には、【過去に許可等をうけたことはない】にチェックします。
ドローン保険の加入状況
ドローンの保険に入っている場合(対人・対物)には保険会社名と商品名、補償金額を記入します。