動画編集用のパソコンで重要なもののひとつにCPUがあります。
CPUというのは人間の脳みそに当たる部分で、動画編集の環境を快適化させるためにも少し贅沢をしたいポイントでもあります。しかし、価格も高くランクの高いCPUならいいわけでもなく、動画編集が得意なCPUというものがあります。
動画編集には処理能力の高いCPUが求められますが、どういった映像を作るかによっても必要なCPUのランクは変わってきますから、後悔しなようにしたいですね。
安い買い物ではないのだから…
このページではCPUの種類やクロック数、スレッド数など聞き慣れない用語もでてきますが、それぞれ動画編集のどこに必要とされているのかを解説していきます。
CPUの性能や特徴を知ることで、動画編集に必要なCPUがわかってくると思います。
CPUのコア数・クロック周波数・スレッドをチェック
CPUのスペックを見る基準は、コア数・動作クロック(周波数)・スレッド数なんです。結論から書いちゃうと、コア数がより多くクロック周波数のより高いCPUのほうが快適に動画編集できるCPUてこと。ですが、みながxeonのようなスーパーCPUを買えるわけじゃないから、スペックを見て判断できるように長々と書いていきます。
ますは、CPUのコアについて。
CPUは人間でいう頭脳と説明しましたが、近年のCPUではマルチコアCPUが当たり前で、複数の頭脳で同時に計算してる状態なんです。パソコンソフトはすべて計算で動いていますから、その計算を受け持つのがCPUとなる。
CPUのコアがひとつよりも複数あったほうが良いのはわかりますよね。
CPUの数が多いと並列処理できるから、エンコード(書き出し)にかかる時間を短縮することができます。
あとにも書きますがRyzenのように、よりコアの多いCPUはたしかにエンコードが早いです。Ryzen9 5900X(12コア24スレッド)とCore i9 10900K(10コア20スレッド)で比較した場合でもやはりRyzenのエンコードスピードが早い。それでも編集ソフトとの相性問題まで考えると、編集時に快適な作業ができるのは今の所Core i9 10900Kの方なんですよね。
次にCPUのスレッド数なんですが、通常1コアに対して1スレッドなんです。ところがHT(Hyper-Threading)対応のCPUでは、1コアで2コアぶん、つまり2スレッドの処理が行なえます。人間の脳が右脳と左脳で考えているようなものですね。(少し違いますがw)
HT対応のCPUであれば、同じコア数のCPUにくらべ性能が高いと言えます。
しかし、むやみにコアやスレッドが多いCPUが良いのではないということ。CPUは総合スペックで見るので、現在の高コスパCPUはCore i9 10900K(10コア20スレッド3.7GHz)で、ランクが上のCore i9 10920X(12コア24スレッド3.5GHz)よりも高コスパなんです。
これは後述する動作クロックの差から生まれます。
最後に動作クロックなんですが、ようはCPUが計算を処理する回数を表しています。
〇〇GHzなどと書かれているので、その数字が単純に大きいもののほうが処理回数が多いことになります。計算が早いので、そのぶんアプリケーションが高速に動くことになります。クロック周波数が高いと計算が早くなるから、編集ソフトの動作が軽かったりエフェクトを多用してもコマ落ちしづらくなるということ。
ここまで説明してきましたが、CPUの性能が高いほど消費電力も上がり、CPUの発熱量も上がるというわけです。CPU温度が上がりすぎると性能を落として保護する機能があるから、CPUクーラーにも気を使いたいですね。具体的に言うとサイドフローの12cmファンが付いたクーラーが理想的。i9 9900Kを積んでて12cmファンを使ってないBTOを買ってはいけないということ。スペック的にも申し分ない動画編集ましんのおすすめは、マウスコンピューターのDAIV Z9ですかね。このマシンなら4K10bit動画でもわりと快適な作業環境を実現できます。
僕が使っているIntelのCore i7 8700Kを例に解説
僕が使っているのは第8世代のIntel製CPUで、Core i7 8700Kといいます。
このCPUはとても安定している反面、発熱もすごく、少し作業するとブンブンファンがうるさいですねw
しかし、レビューなどの評価もよく、GTX1070などの上位グラフィックボードと合わせることで、4K動画編集もこなせるパワーがあります。第10世代のCore i7との性能は月とスッポン なので、ぜひとも第10世代CPUを体験してください。
形状(CPUソケット) | LGA1151 |
動作クロック | 3.70GHz |
コア数 | 6 |
スレッド数 | 12 |
TDP(熱設計電力) | 95W |
Core i7 8700Kのスペックを見ると、クロック周波数を見ると3.6GHzですね。この数値は第7世代の7700Kど同じですが、コア数が4から6になっているので、処理能力は1.5倍ていどになっています。全世代のCPUとはいえ、Turbo Boost 2.0発動時最大という制限付きながら4.7GHzの動作クロックを誇るSPUでもある。
動画編集をする場合には、CPUコアの数がそのまま快適な編集作業につながるんです。
もちろんコア数だけではなくスレッド数も影響してきますから、動作クロックよりもコアとスレッドの数値が大きいものを選択したいですね。
映像編集に有利なCPUを選ぶ基準
動画編集に有利なCPUの選び方としては、コア数(スレッド数が同じ場合)×クロック(周波数)である程度予測することができます。
例として
- 8コアで5GHzのCPU
- 10コアで4GHzのCPU
どちらも掛け算すると40という数値になりますが、ノンリニアビデオ編集する場合には、同じ数値になるCPUであれば動作クロックが高いほうが有利となります。コア数も動作クロックも同じくらい大事という良い例ですね。
パソコンを普通に使うだけならコア数はさほど重要ではないですが、3DCADや動画編集といった作業になると並列演算処理に強い多コアなCPUのほうが有利です。クロックとコアの掛け算で考えられますが、編集時のプレビュー速度(再生するとカクカクする)を改善したいなら、動作クロックが大きいほうが有利になります。
パソコンのメモリなども影響しますが、CPUだけで考えると上記のようになる。プレビューの改善には、グラフィックボードのランクが一番影響するんですけどね。4K8bitまでの編集ならばRTX 3060、4K10bitまでならRTX 3070以上のグラフィックボードが理想的です。
高いですがRTX 3080なら編集の遅さをグラボのせいにはできないくらい速いですw
TDPは消費電力ではない!静音性やパーツの劣化に影響する
TDP(Thermal Disign Power)は発熱量や消費電力と勘違いされがちですが、PCパーツでは熱設計電力となります。このTDPという数値は、パソコンのパーツを組む時の指標で、電源やCPUなどの冷却するために参考にするべき数値なんですよ。
TDPは電源および冷却に関する指標を示すための数字
Core i7-8700Kを使ったPCを作る場合、ケースの中に100Wの白熱電球が1個あるという仮定のもとに、電源回路と冷却の仕組みを考えればいいことになる。電源の方は100Wを安定供給できる仕組みということになる
ASCⅡの解説がわかりやすいので引用させていただきました。より詳しく知りたい方はASCⅡのページを見てください。TDPのワット数が多いと、パソコンのケースも大きくなるし、冷やすのに工夫が必要になってきます。Core i9 XシリーズなどはTDP 165Wとなっていて、i7 8700KよりもPCケース内の冷却を考えないといけません。
あくまでも発熱量をワット数で表しているので、つねに165Wを発熱しているわけではないですが、小型のケースやノートPCなどでは使えなくなります。このページを作成している次点で最新の、Core i9 10900KではTDPも定格125Wとなっている。
電源やグラフィックボードも発熱するので、あくまでも全体のバランスのひとつとして参考にする数値ではあります。動画編集で考えると、パソコンの電源は800w以上を確保したいところ。
マザーボードのソケットの違いでCPUも変わる
BTOパソコンであれば組み立て済みですが、自作派の方やCPUを上位版に入れ替えたい時に重要な部分です。
CPUはパソコンのマザーボードと呼ばれる基盤に取り付けます。
基盤にはソケットと呼ばれる部分があり、ソケットにCPUを差し込む形でマザーボードと接続しています。
ソケット形状が合わないCPUとマザーボドでは互換性がありません。
単純に取り付けできないなんてこともありますw
パソコンをDIYするのは決して難しくないですが、こういった物理的な相性だけでなく、実際に通電してからわかる相性もあるからすすめづらいんですよねw
むしろカンタンだしより安く自分好みにできるので、僕はいつもDIYで自作してます。
しかし、最新のソケット(LGA2066)のCPUは、価格が高いわりには動画編集に不向き(最大動作クロックの差)なため、現在の主流は同じ第10世代のLGA1200ソケットを採用したCore i9 10900Kとなっています。
CPUのメーカーによる違い
CPUメーカーの主流はIntelとAMDですが、先に解説したソケット形状が違うため互換性はありません。
Intel Coreシリーズは圧倒的な世界的シェアを誇り、AMD Ryzenは用途を選ぶ上級者向けのCPUと思っておいたほうがいいかもしれません。実際にIntelよりもAMDのほうが快適に使えるアプリケーションもあります。
同じコア数とクロック数の場合AMD製CPUのほうが安価なので、BTOパソコンを選ぶ時に価格的にも有利なんです。
動画編集が目的ならCPUだけではなく、グラフィックボードや使うアプリケーションの影響もおおきいので、どれがいいとは言いづらいのが辛いところ。
動画編集中の快適性能なら、動作クロックの高いIntel製CPUが有利な傾向にありますよ!
僕はIntel製のCPUしか使いませんが、そういった方は多いです。
動画編集を楽にするおすすめのデスクトップパソコン
動画編集におすすめのパソコンは、富士通やNEC、マイクロソフトなどのパソコンではなく、自作パーツの相性などが検証されている「BTO」と呼ばれるパソコンがおすすめです。中でもクリエイターPCやゲーミングPCがおすすめ!
クリエイター系といえばmac推しが多いと思いますが、同じスペックだとWindowsのほうが安く購入できる。
BTOパソコンを扱っているショップはたくさんありますが、クリエイター系のパソコンを買えるのは、マウスコンピューターやパソコンショップSEVEN、VSPECなどのBTO専門ショップが良いかもです!
僕はパーツの購入も検討したりするので、パソコン工房 ややじゃんぱらなんかも要チェックですね。中古のグラボなんかも見つけられますよ!
動画編集を楽にするおすすめのデスクトップパソコン
おすすめなパソコンはデスクトップですが、BTOショップはノートPCも販売しているから、どうしても持ち運びしたいならノートを選ぶのもあり。しかし、デスクトップで30万円前後のPCと同等のものを探すなら、ノートPCだと50万円くらいは覚悟したいところ。
マウスコンピュータのクリエイター向け「DAIV」シリーズ
DAIV Z9
- OSWindows 10 Home 64ビット
- CPU:インテル® Core™ i7-10700
- GPU:GeForce RTX™ 3070™
- メモリ:32GB
- 電源:800W 【80PLUS® TITANIUM】
パソコン工房のクリエイター向けモデル
- OS Windows 10 Home 64ビット
- インテル® Core™ i9-9900K
- グラフィックス GeForce® 2080 Ti
- メモリ32GB(16GB×2)
- 電源700W 【80PLUS® BRONZE】
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