動画向けクリエイターモデルとして人気があるDAIV 3Nをマウスコンピューターさんから、レビュー用にお借りできたので、試用しつつベンチマークなどを使いレビューしていきます。お借りしてから気づいたのですが、ゲーミングモバイルのG-Tune P3と同じ筐体で、トップカバーだけが違うモデルのようです。
以前の記事と見比べて数値の差はありますが、個体差というよりは誤差だと思うので、どちらが優れているとかはありえません。DAIV 3Nはかなり人気があるから、納期が遅れるようであればG-Tune P3を狙うのもありだと思います。
DAIV 3Nモデルの基本スペック
DAIV 3Nは13.3インチのモバイルノートでありながら、グラフィックス性能ではGeForce GTX 1050 tiを軽く超えてくる性能があり、動画編集用サブノートとして注目しています。詳しくはDAIV 3Nの特徴ある仕様を見ていただくとして、僕が感じたことをサクッと書いていきます。
DAIV 3N | スペック |
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | インテル® Core™ i7-8709G |
ビデオカード | Radeon™ RX Vega M GH(Graphics High) |
RAMメモリ | 16GB DDR4-2400 |
記録媒体 | 512GB NVMe対応(M.2 SSD) |
ディスプレイ | 13.3型 フルHDグレア |
無線機能 | IEEE802.11ac/a/b/g/n ・ Bluetooth 5モジュール内蔵 |
搭載しているグラフィックは別体型ではなく、統合型GPU(CPU内蔵であるiGPUの一種)が搭載されているのが特徴。RX Vega M GHはRX Vega Mシリーズの上位版で、「GH]はGraphics Highつまり高性能版ということ。dGPUローエンド製品よりも性能が高い場合もあるので、コンパクトなモバイル性を重視したものが欲しい場合には、選択肢のひとつとして考えておきたい。
VRAMも4GBあるので、GeForceローエンド製品並みの性能は魅力的である。
カスタマイズではRAMメモリ増設できないのがちょっと気になるけど、動画編集サブ機と考えれば悪くないかも。2020年版のAdobe Lightroomの推奨メモリが8GBだから、写真の現像には困ることがないでしょうね。
満充電で10時間くらい動かせるから、出先での仮編集やレーティングなんかも問題ない。ノートパソコンに限らず小型と高性能を両立させるのは厳しいから、RX Vega M GHを搭載したDAIV 3Nはサブノートとしてはいい選択だと思います。
外観とインターフェース
マウスコンピューターの製品に共通していえるのが、黒を基調としたスッキリと引き締まった外観だと思う。DAIV 3Nは小型ゲーミングノートとして販売されていますが、クリエイティブ系の作業にも十分耐えられる性能はある。もちろんサブノート的な位置づけですが…
ディスプレイはグレアタイプ(光沢)の13.3インチで、1920×1080のフルHD表示できる液晶画面になっている。個人的にはWQHD(2560×1440)くらいが好みだけど、普段使いには十分かと。そもそもノートPCでWQHD表示できるものが少ないですけどねw
フルHDで13.3インチなので、画面は100%でも十分視認可能だから、画面サイズ的にはちょうどいいのかも。
画面手前にはテンキーレスキーボードがあり、スタンダードな配列なのでテキストを打つときにも違和感はあまりなさそう。OSがWindows10なので手前にあるタッチパッドでは、ジェスチャー操作も可能。僕がよく使うのは、2本指でのスクロールと3本指でのウィンドウ切り替えですね。
モニタも狭額でおもった以上にコンパクトなのには驚かされました。一昔前の12インチクラスまでサイズダウンしているのでは?
画面を全開にした状態がこちら。
モニタは180°開くタイプではなく、途中で止まってしまう。とはいえ、平らになるまで開くことなんてないし、動かすことが多いヒンジ部分は堅牢であれば言うことはありません。
天板にはシンプルに「DAIV」のロゴが配置され、ちょっと高性能なビジネス向けとしても十分使えそうな外観です。画面を閉じた状態でA4コピー用紙とほぼ同じ大きさなので、A4ファイルが入る鞄であればすっぽりと収まってしまうコンパクトさ。
じっさいクリエイター系PCなので、ビジネスモバイルよりもはるかに性能は高い。
実寸で307mm×215mmなので15インチとは可搬性がずいぶんと変わりそうですね。普段遣いのモバイルPCであれば、A4以下のコンパクトノートじゃないと僕は持ち歩きたくないかも。僕が普段使っているGPD Pocketは、A6手帳サイズなので無造作に鞄に放り込んでありますw
底面には熱処理のためについた給気口があり、ノートPCクーラーなどを利用すれば、高温による性能低下も避けられそう。画像下の方についているのスピーカーですね。いぜんレビューしたDAIV 5N OLEDではメカメカしい印象を持ちましたが、DAIV 3Nはスッキリとしています。グラフィックがCPU統合型になっているから、発熱も少ないんでしょうね。
1番上にあるマークみたいなのが電源ボタンですね。気になるキーピッチはテンキーレスということもあり、使いやすいと言われている19mmを確保できている。キーボード自体はバックライト搭載で、暗い場所でも打ちやすい感じ。
A4ノートだからキー配列に無理があるかな?と思っていましたが、キーピッチも標準的な使いやすい間隔なので、文章を書くときに手がきゅうくつに感じることもなかった。また青字で表示されている機能、プリントスクリーンやボリューム、画面の明るさ調整などはFnキー(ファンクション)との同時押しとなっている。
ゲーミングモデルのG-Tune P3にくらべ外観がシンプルで、ノマド作業でも恥ずかしくなさそう。
画面上部には100万画素のwebカメラと、左右の穴がマイクとなっている。カメラの横にある穴はWindows Hallo用のカメラだったりしますかね?僕が初回セットアップした時には設定が出なかったので、公式サイトを見てみたらWEBカメラインジケーターという、カメラ作動中に光るもののようです。
手前側には端子類はありませんでした。いぜんレビューしたDAIV 5N OLEDにはSDカードリーダーがついていました。DAIV 3NにはSDカードリーダーが内蔵されていないので、外出時にデータを読み込みたい場合はカードリーダーが欲しくなります。
背面端子類もなくスッキリしています。自宅で外部モニタを繋げる場合は背面端子があると、自宅で外部モニタをつなげ作業するときにも捗るのですが…コンパクトモデルだからしょうがないんでしょうね。
右側にはUSB 3.1(Thunderbolt3と共用)とフルサイズのHDMI、USB 3.0対応のTyte-A端子、ケンジントンロックがついています。外部モニタを使うなら、HDMI端子でフルHD出力するか、Thunderbolt3端子からDisplayport変換ケーブルなどで4K出力にも対応してる。
左側にはアダプターの差し込みとUSB 3.0対応のTyte-A端子、外部マイクとヘッドフォン共通の3.5mmジャックがある。
僕的におしいのは、やはり背面端子が無いこととカードリーダーが未搭載なところ。とはいえ、コンパクトなGPU搭載のA4ノート自体製品の選択肢が無いじょうたい。サブノートとして考えた場合には選択肢としてわるくないと思う。
外観の客観的感想
実際に手元においてみると、改めてA4サイズのノートPCは持ち運びサイズとしてちょうどいいかなと。やはり15インチあると重さとサイズで、カフェでコーヒー飲みながらポチポチするには大きいですね。17インチノートPCにいたっては、間違いなくデスクトップと同じで据え置きで使う未来しか無い。
大きいほうが性能も妥協していないから、1台だけしか所有でいないのなら17インチもありですけどね。
性能は妥協してもロケ先で使うことを考えると、少しでもコンパクトなほうが何かと便利です。特に写真の現像ていどであれば、DAIV 3Nならメイン機になれるくらいのスペックだと断言できる。PhotoshopやLightroomしか使わないのであれば、上位機種はねらわずにフォトウォークでも活躍できるこちらを選ぶべき。
インターフェースの種類や配置
DAIV 3Nには背面端子は無く、本体左右にのみ端子類がついている。
本体右側
- USB 3.1(Thunderbolt3と共用)
- フルサイズのHDMI
- USB 3.0対応のTyte-A端子
- ケンジントンロック
本体左側
- 電源端子
- USB 3.0対応のTyte-A端子
- 外部マイクとヘッドフォン共通の3.5mmジャック
DAIV 3Nの良いところは、小さいのに端子類は妥協してないところ。特にThunderbolt3はこれからのスタンダードな端子になるだろうし、GPUに物足りなくなったらeGPUという外付けのGPUを使う選択肢もあるのはうれしい。
こういったグラフィックボード専用の拡張ボックスを使い、中にGTX 1080などを入れればグラフィック性能は飛躍的に上がります。外では内蔵グラフィックを使い、家に帰ったらeGPU支援で重たい作業もこなせるようになる。
付属品など
付属品は取扱説明書とアダプター類一式。
DAIV 3Nの評価と比較
ベンチマークのついでに以前お借りしたDAIV 5Nや、僕が使っている自作デスクトップPCとも対決させ、数値で比較していきます。パソコンを購入しようと思っても、実際に購入するときには参考になる数字があるといいですよね。
以前お借りしたDAIV 5N OLEDのレビューも参考にみてください。僕がレビューしたのは有機ELモデルですが、液晶モデルのDAIV 5N(15インチモデルでもよければ)なら価格も変わらないので、性能をとるか省スペース化をとるかで良い選択ができるかも。
ベンチマーク
ベンチマークテストは下記のソフトを仕様しました。今後も同じものを使っていくかはわかりませんが、僕なりに精査して採用しているつもり。それぞれのベンチマーク結果と、以前にテストした機種の数値を比較用に掲載しているので、購入を迷っている方の参考にはなると思います。
- PCMARK10
- Cinebench
- CrystalDiskMark
- Fire Strike
- Blackmagic RAW Speed Test
他にもテストしてみたいソフトはあるんですが、ベータ版だったりして安定していなそうということで見送っています。
PCMARK10
ここで見たいのはDigitail Content Creationの項目で、なぜか以前お借りしたDAIV 5Nシリーズよりも数値的にいいのが気になりますねwPCMARK10は総合ベンチマークテストなので、パソコン全体のバランスを見るのにちょうどいいテストだと思います。
DAIV 3N | 4644 |
DAIV 5N OLED | 4490 |
自作PC | 8504 |
僕が使っている自作PCはデスクトップなんで、あまり比較にはなりませんが、DAIV 5Nシリーズとはいい勝負ができていると思います。総合ベンチマークでこれだけの数値がだせるんだから、ゲーミングPCも十分動画編集ができるパソコンということになります。ゲーミング性能はDAIV 5Nが圧倒的勝利をおさめているから、テスト時の数値がもしかしたらおかしいのかも。
Cinebench
CinebenchのテストはCPU単体のベンチマークテストとなっています。
数値の大きい方がマルチコアで少ないほうがシングルコアでの性能となっている。DAIV 3Nに使われているCPUは i7-8709GというノートPC用のもので、第6世代のi7 6700よりもシングルもマルチでも性能は上となっているのがすごい!DAIV 3Nは第8世代のCPUですが、ノート用だから性能的にはデスクトップにかなうはずもありません。ですが、第7世代のi7 7700の数値に肉薄しているのがわかると思います。
ノートPCのCPUもずいぶんと早くなったものです。(かなり昔の記憶しかない)
DAIV 3N | 1917 |
DAIV 5N OLED | 2253 |
自作PC | 3392 |
一昔前のデスクトップCPUと同じ性能が出せるんだから、古いパソコンからの買い替えであれば、このクラスでも十分満足できるということがわかりますね。
CrystalDiskMark
CrystalDiskMarkはストレージ(保存用ドライブ)の速度がわかるテストとなっている。最近のノートPCはNVME M.2 SSD搭載だから、ストレージがボトルネックになることは無いと断言できます。僕が現在使っているマシンはSATA接続のSSDなので、PCIExpressで接続するNVME M.2 SSDには逆立ちしてもかないません。
動画編集のような容量の大きいファイルを扱う場合には、ストレージ速度も快適な編集にはかかせません。これから自作しようと思っているかたも覚えておいて損はない情報だと思います。
DAIV 3N | 1611 |
DAIV 5N OLED | 1740 |
自作PC | 548 |
早いストレージを使うと動画データの読み込みが早くなる。早ければ動画編集ソフトでデコードするのも早くなるし、他のスペックが上がってくれば快適性能も上がってきますよ。DAIV 3NとDAIV 5Nとの差は誤差でしかありません。
Fire Strike
Fire StrikeのテストはGPU性能がわかるベンチマークテストとなっている。
DAIV 3Nはごぼ内蔵型のGPU(CPU統合型GPU)なので、dGPU搭載のDAIV 5Nには絶対に勝てませんがテストをしてみました。GPUメーカーも違うから一概には言えませんが、Fire Strike自体もかなり重たいテストなので、実際にはサクサク動くノートパソコンだなという印象です。
ぜんかいレビューしたG-Tune P3の半分くらいしか数値がでていませんが、スペック上は同じせいのうなので、DAIV 3Nでも8000台は出せると思ってます。
DAIV 3N | 4402 |
DAIV 5N OLED | 14112 |
自作PC | 17737 |
Blackmagic RAW Speed Test
Blackmagic RAW Speed TestはBrawというraw動画ファイルが再生できるかのテストで、CPUだけのものとGPUでのレンダリングも見ることができます。
数値を見る限りでは動画のrawファイルで1080p60fpsまでは問題なく再生することができるのがわかる。GPUはAMD製なのでCUDAではなく、OPEN CLで動いているのがみてとれるかと。気になるのが最近の映像関連ソフトはCUDAに最適化しているものが多いので、CPU単体とGPU支援がある状態との差が少ないのは気になりますね。
しかし、モバイルできるノートPCでrawファイルを扱えるのだから、総合性能的にはそこらのノートPCよりも快適に使えそうです。
ちなみにH.265のほうがデコードするぶんプレビュー再生やエフェクトを使用すると極端に編集スピードが落ちてしまう。ちょっとした豆知識ですw
おすすめカスタマイズ
おすすめカスタマイズといっても、DAIV 3Nはストレージくらいしかカスタマイズできる部分がなく、もしやるなら外部ディスプレイにeGPU、キーボード、マウスなどを購入し、自宅では外付けデバイスを使うのもありだと思います。G-Tune P3のレビューでも書いていますが、ドッキングステーションなどを使うと、自宅作業での快適性が上がるかも!?
また、外付けHDDなども同時購入しておいたほうが良いでしょうね。動画編集なんかやりだすと512GBじゃまったく足りなくなりますから。いまはデスクトップの内蔵型よりも、外付けハードディスクのほうが安かったりしますしねw
動画編集を楽にするおすすめのデスクトップパソコン
おすすめなパソコンはデスクトップですが、BTOショップはノートPCも販売しているから、どうしても持ち運びしたいならノートを選ぶのもあり。しかし、デスクトップで30万円前後のPCと同等のものを探すなら、ノートPCだと50万円くらいは覚悟したいところ。
マウスコンピュータのクリエイター向け「DAIV」シリーズ
DAIV Z9
- OSWindows 10 Home 64ビット
- CPU:インテル® Core™ i7-10700
- GPU:GeForce RTX™ 3070™
- メモリ:32GB
- 電源:800W 【80PLUS® TITANIUM】
パソコン工房のクリエイター向けモデル
- OS Windows 10 Home 64ビット
- インテル® Core™ i9-9900K
- グラフィックス GeForce® 2080 Ti
- メモリ32GB(16GB×2)
- 電源700W 【80PLUS® BRONZE】
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