ドローンの空撮動画にPL/NDフィルターが必要なのか?使い方と必要な理由

「ドローンにはPLやNDフィルターがないと」みたいな風潮ありますよね。しかし、なぜフィルターが必要なのか?わかりやすく解説されているサイトをあまりみないので、この際だから書いてみようと思います。

ドローンのNDフィルターの画像

なぜCPLフィルターやNDフィルターが必要なのか?「NDフィルターって映像を暗くするだけでしょ?」と思った方はしっかりと見ていってください。PLやNDフィルターを使うことで映像の滑らかさや、後処理の快適さがかわってきます。

マウスコンピューター/G-Tune

PL/NDフィルターとは

PLフィルターの効果を確認するアニメーションgif

PLフィルターとは被写体からの反射光を除去し、本来の色彩を表現できるフィルターです。PLフィルターの中にはC-PLと書いているものあり、サーキュラー・ポラライズド・ライト(Circular Polarized Light)フィルターの略語となっています。

PLもC-PLも偏光フィルターにより反射を除去する機能があり、PLフィルターの直線偏光フィルターに4分の1波長のフィルターを重ねたものがC-PLフィルター(円偏光フィルター)となります。

AF(オートフォーカス)のためのハーフミラーを持ったカメラだと、直線偏光のPLフィルターでは誤作動を起こすためC-PLフィルターを使用してください。

PLフィルターは表面反射している面(水面など)から鋭角に30°~40°の範囲がもっとも反射を除去できる

 

NDフィルターとはニュートラル・デンシティー(Neutral Density)フィルターの略で、”濃度を中立にする”フィルターといういみなんです。可視光(目で見える光)を均一に吸収するフィルターで、色の変化を最小限におさえて入射光の量を減らすことでシャッタースピードを遅くする効果やレンズの絞りをより開いて撮影することができます。

NDフィルターの後ろにつく数字は入射光の量を何分の一に減らすことができるかを表しています。ND2なら2分の一に、ND16なら16分の一に減光することができます。
それでは、それぞれのフィルターの使い方や必要な理由などを解説していきます。

PLフィルターが必要な理由と使い方

PLフィルターにも2種類あり、フィルター枠が回転するものと回転しないものがあります。

フィルターを使う場合に気をつけたいのが「ケラレ」と呼ばれる映像や画像の四隅に枠が写り込む現象がありますが、一般的なドローンの画角(映像が撮影できる範囲)が24mmと順広角なのでケラレの心配はいりません。

こんかい購入したものはお試しなのですがレンズフード(遮光フード)付きのフィルターなので、ジンバルカバーを付けるとジンバルが少し後方に押されてしまいます。持ち運び時にはフィルターを外さなければならないのが少し面倒ですね。また、フード付きのものを購入したので、静止画の撮影では少しケラレがでますがこの価格は魅力的です。

PLフィルターを使うと海の色がほんとうにキレイで、なんだが動画撮影の腕があがったように錯覚してしまいますw

PLフィルターに理想的な角度

PLフィルターには効きが良い角度というものがあります。乱反射の多い、水面など反射をおさえたい面に対して30°~40°の範囲で、鋭角であれば反射をおさえ水底を捉えることができます。

ドローンで空撮する場合には高角度からの撮影ではPLフィルターの意味が少なくなってしまうので、水面を撮影する場合には意外と低空飛行じゃないとうまくいきません。

 

NDフィルターが必要な理由

ドローンで空撮をしたいならNDフィルターは無くてはならない存在なので、まっ先に購入したいアクセサリーのひとつとなっています。NDフィルターを使うと動画にどのような効果があるのでしょう。

  • シャッタースピードを落として動く被写体の動きを適度にブレさせるため
  • 絞りを開いても遅いシャッタースピードを使用するため

NDフィルターはシャッターズピードをコントロールするために必要なんですね。

NDフィルターでシャッタースピードをコントロール

ND Filter Comparison – DJI Mavic Air

動画で観ていただくのが一番わかり易いかと思います。動画のシャッタースピードは30fps(1秒間のフレーム数)で撮影する場合には、1/30~1/60程度におさえたいものなんです。

フレームレートのおよそ2倍までが適正なシャッタースピードと言われています。

やりがちな失敗動画はSS(シャッタースピード)が早すぎるために、動画がカクついて見えることなんですね。静止画(写真)の場合にはブレをおさえてシャープな映像にしないと失敗に見えますが、動画は適度なブレがないとカクついて見えてしまうんです。

動画は写真を連続で表示しているだけなので、前の映像から次の映像へ切り替わる時にブレがないと不自然に見えてしまうんですね。ぜひパソコンなどの大きい画面で動画を見てください。百聞は一見に如かずですよ?

ND4 光量を1/4にする(シャッター速度を1/2にする)
ND8 光量を1/8にする(シャッター速度を1/4にする)
ND16 光量を1/16にする(シャッター速度を1/8にする)

NDフィルターがないとD-logの撮影はむつかしい

D-log(DJIのlog形式)になぜNDフィルターが必要なのか?秘密は動画の滑らかさにあります。日中に撮影した動画が「なんだかカクカクしてる…」と思ったことはありませんか?ドローンに限らず一眼レフやミラーレスカメラの動画もシャッタースピードが肝なんです。

 

D-logに設定するとISO感度が上がりシャッター速度が上がってしまう

 

動画を撮影する時はシャッタースピードを1/30~1/60のシャッタースピードで撮影すると自然に見えるんです。適度なブレがないと目で見た時に不自然な動画になってしまうんですね。日中に1/30という遅いシャッタースピードで撮影をしようと思ったら、レンズの絞りをf30くらいまで絞らないといけません。f30なんて設定はドローンには逆立ちしてもできないので、ここでNDフィルターの登場なんですよ。

ここでひとつの目安として日中の設定を書いておきますね。一眼カメラで写真を撮る方ならわかるかと思いますが、日中の基本設定は絞りをf8.0に設定してiso感度を100にするとシャッタースピードはだいたい1/100で露出がちょうどよくなります。ここから逆算するとiso100で1/50のシャッタースピードで撮影しようとしたら、絞りをf16絞りをf11(くららさんにご指摘いただいきました、ありがとうございます。)まで絞らないといけません。これだけの話でもカメラに詳しくないと「???」となりますよねw

Phantom4 Pro/AdvancedではD-logで撮影する場合にはiso感度がiso500で固定されてしまいます。iso500ということはiso100の実に5倍もの光をとりこんでしまうので、NDフィルターが無いと高画質なP4Pでの撮影した映像がカクカクした安っぽい映像になってしまいます。

絞りの計算方法

レンズの絞りは開口率が2倍、つまり1.41421356をかけると明るさが半分になります。基準となるのは人間の目で、f1.0となります。f1.0に√2をかければ1段絞ることになりあます。

1.0、1.4、2.0、2.8、4.0、5.6と不規則に並んでいて覚えづらいですが、かんたんな覚えかたがあるんです。

1.0 2.0 4.0 8.0 16
1.4 2.8 5.6 11 22

表の上段左から1段絞ると下段左へ、次の列の上段へいけばまた1段変わります。それぞれの行で2倍になると2段分明るさが変わることになります。こうすれば一見不規則な数字でも規則性をもたせることができるので、とても覚えやすいんです。

MavicのD-log撮影ではNDフィルターが必須

撮影はできますが動画コンテンツとしては失格です。

もうひとつ大事なのがMavic ProやPhantomで撮影できるD-logという撮影モードも、D-logで撮影しようと設定するとiso500で固定されてしまいます。iso500になると感度が5倍にもなるので、光量を1/5にしないとiso100の設定では撮影できません。このときに必要になってくるのがNDフィルターで、f8.0に設定してもND8のフィルターが必要になってきます。

Phantomの場合はカメラに絞りの設定があるからいいのですが、Mavicだとf2.8固定なので上記のような状況だと最低でもND32以上のフィルターが必要になります。本格的に撮影するならND64まで揃えておきたいですね。

安いNDフィルターは色が変わってしまう

NDフィルターの品質もピンきりで素性のわからないものを使うのはおすすめしません。基本は純正品を使うと思いますが、どうしても高く感じてしまいますよね。

低価格なNDフィルターだと映像が赤みを帯びたり、緑色に転んだりしてしまいます。どうしても安いものを購入するのであれば、捨てるつもりで買いましょうwまぁ、高ければいいというわけでもないのですがねw

NDフィルターの番号

NDフィルターには番号がついています。濃度のうすいものから濃いものまでさまざまで、ND◯◯のようにNDの後の数字で濃さを判断しています。ND2、ND4、ND8みたいな感じですね。

数字が大きいほど濃度が濃いと書きましたが、数字が倍になるとシャッタースピード1段分遅く出来るんです。現在のシャッタースピードが1/120秒ならND2をつけることで速度を1/60まで落とせます。1/60というと30fps(秒間30コマ)の空撮動画の撮影にちょうどいい速度になりますね。

厳密には1/動画のコマ数(一秒間のコマ数)が理想的と言われています。

日中の撮影に必要なNDフィルター

カメラが好きな方であればわかると思いますが、Mavic Airのようにf2.8固定絞りのカメラだと日差しの強い日中のシャッタースピードは1/4000にもなります。それを1/60まで落とすにはND64が必要になってきます。

曇り空でだいたい3段分暗くなったとしても、最低限ND8は欲しいところです。

Phantomのように絞りが調整できればある程度は対応できますが、絞りが固定の機種ではND2~ND64まで揃えておきたいですね。

 

フィルターが固くてはずれない場合の対処法

Mavic Airを例にとって説明します。

Mavic Airのレンズガードの場合

Mavic Airのカメラレンズには純正の枠がついており、ネジ式のオスネジが切ってあります。一眼レンズなどとは逆の構造になっているんですね。

レンズガード(レンズ枠)は固くしまっているのでレンズクロスなどを使い、硬い瓶の蓋を開ける要領で回せば外せます。外れたらレンズガードの代わりに購入したフィルターをねじ込めば完成です。

通常のフィルターがはずれない場合

フィルターが固くて回せない場合には、無理に力を入れて回しても外れません。無理に力を入れるのではなく、フィルターの正面からレンズクロスなどを当てて押さえつけるようにして外すのがコツです。

PLフィルターのように枠が回転するフィルターがはずれない場合

PLフィルターは前面の枠が回転するため、通常のフィルターと同じ方法が使えません。こういった場合には回転する枠と回転しない枠にまたがるようにセロテープなどを貼りましょう。NDフィルターなどよりも締め付けが弱いため、セロテープで枠が回転しないようにするだけで外れるようになります。

 

購入したのはSunnylifeのMavic Air用レンズフィルターセット

このフィルターセットは安いのは良いんですが、あまり評価が良くないんですよね。レンズフードを兼ねているので、レンズフレアが出づらいと思い購入したんです。ところが以外なデメリット?があって、NDフィルターをつけているとジンバルカバーを付けたときにカメラに無理な力がかかるので、使用するたびに外さないといけないのが少し面倒だと感じました。

まぁ、毎回違うフィルターを使っているので問題ないんですがねw

Mavicエアーの純正カメラカバーの外し方

僕じしんがフィルターをつけようと思ったときに苦労したので書いておきます。

MavicAirのカメラにはカメラレンズをガードする純正の枠がついているんですが、これが外れなくてでも無理に回したらカメラを壊しそうで困ってしまったんですよね。ところがある方法で回してみるとカンタンに外すことができました。

レンズクロスのような柔らかい布をレンズカバーにかぶせて、レンズガードの上から緩めるとあれだけ固くてはずれなかったレンズガードがいともカンタンに外れてしまいますw

緩める時は慎重にジンバルを指先を使ってしっかりとおさえてから外しましょう。

今欲しいドローン用フィルターはNDフィルターと偏光フィルターが合体したやつ

まだ使用していないのでおすすめできるわけではないですが、購入予定のフィルターがあります。

レンズフィルターの専門メーカーでアメリカのショップです。日本のamazonでも購入できますがなぜか割高なんですよね。公式オンラインショップの方が安く買えそうなのでチャレンジしてみたいと思います。

Polarproオンラインストアー

amazonの日本語サイトではPolarproのフィルターセットはなぜか高いんですよね。もしも偏光NDフィルターを手軽に注文したいならTELESINのND+PLフィルターが手に入れやすい価格だと思います。

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コメント

  1. くらら より:

    写真は数年やってるのですがドローンは今年からで記事の方、大変参考になっております。この記事のiso100、ss100分の1、f8をss50分の1にするにはf値はf11ではないでしょうか。f値は一段で光量が二分の一なのでf8で適正露出が出ているものをf16にすると2段分絞ることになるので光量は4分の1になるのでssは4倍の25分の1かと思いました。

    Telloのしばらく使ったレビューもたのしみにしております。

    • 空人 より:

      あっ…すいません。早めに修正しておきます。

      くららさんの認識で正解です。(笑)

  2. nanashi より:

    CPLは「円形の偏光フィルタ」ではありません。
    通常のPLに1/4λ位相差板を組み合わせ、一眼レフカメラのハーフミラー機能に干渉しない様にしたフィルタです。
    一眼レフカメラに通常のPLを使うとAF(オートフォーカス)や測光機能が作動不良になる為、それを防止した製品がCPLです。

    ミラーレスのドローンカメラであっても、位相差&コントラストのハイブリッドAFを用いるMavic2 ProやMavic2 ZoomにはCPLが必要ですが、
    コントラストAFのMavic ProやパンフォーカスのMavic AirにCPLは不要であり、PLやND-PLで充分です。
    PLより偏光効果が若干劣り、かつ割高なCPLをMavic ProやMavic Air用に買うのは無駄そのもの。
    サードパーティー側も、売れるのだから何でも作って良いというスタンスでは信用を無くすというものです。

    • なめらカメラ より:

      コメントありがとうございます。

      完全な勉強不足でした。再度調べ直して修正しておきます。

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